2025 年 2 月の BitcoinVN Shop の販売報告によると、ヨーロッパで最も歴史のあるハードウェアウォレットブランドである Trezor の市場シェアは急速に拡大し、販売されたハードウェアウォレット全体の 20% を占めました。
この成長は、Trezor が 2024 年に Trezor Safe 3 と Trezor Safe 5 の 2 モデルを発表して以来、新製品を発売していないにもかかわらず実現しています。
BitcoinVN Research の調査によると、今回の成長を支えた主な要因は 2 つあります。
Ledger が Nano ハードウェアウォレットの製造を終了 – Trezor にとって飛躍のチャンス
Ledger は最近の発表で、市場で高い人気を誇ってきた Ledger Nano S シリーズの製造を正式に終了することを明らかにしました。一方で、電子インクを採用した新モデルの Ledger Flex や Ledger Stax は、いまだベトナム市場で正式に発売されていません。これにより、特に Trezor Safe 3 および Safe 5 を中心に、Trezor にとって大きな成長機会が生まれています。
Trezor のこの 2 つの代表的なモデルはいずれも最新のカラー OLED ディスプレイを搭載しており（Safe 5 はタッチスクリーンにも対応）、ユーザーにとって直感的で分かりやすい操作性とトランザクション確認を可能にしています。これにより、取引承認時の「ブラインドスポット」を減らすことができます。
近い将来の見通しとしては、Ledger Flex および Stax が正式に発売されれば、Ledger は失った市場シェアの一部を取り戻す可能性があります。しかしそれまでは、Trezor は自社が誇る先進的かつ高性能なハードウェアウォレットによって、引き続き有利なポジションを維持すると考えられます。
アジアにおける Tron ネットワークの衰退
もう一つの要因として、多くのユーザーが Tron ネットワーク上の USDT から離れ、Ethereum ネットワークへ移行しつつあることが挙げられます。これは、現時点で Trezor が Tron をサポートしていないため、特に重要なポイントです。
これまで Trezor が Tron をサポートしていないことは弱点とされ、多くのユーザーが USDT（Tron ネットワーク）を保管・取引する際に Ledger を選ばざるを得ませんでした。しかし現在、Tron の存在感が徐々に低下する中で、Ledger は Trezor に対する競争優位性の一部を失いつつあります。
ビットコイン専用ウォレットは依然としてニッチ市場
これまでの四半期と同様に、Coldcard（Coinkite 製）や Jade（Blockstream 製）など、ビットコイン専用のウォレットは、長期的なセキュリティと世代を超えた資産保管を重視する一部の専門ユーザー層に向けて提供され続けています。
現時点では、一部のビットコイン専用ウォレットが他の資産を限定的にサポートする例もあります。例えば、Blockstream Jade は Liquid Network 上の USDT をサポートしており、ステーブルコイン取引におけるプライバシー性の高い選択肢を提供しています。ただし、複数の仮想通貨を安全に管理したいユーザーにとっては、Jade や Coldcard を Trezor や Ledger と組み合わせてマルチシグ（multisig）構成で利用することで、単一デバイスへの依存リスクを下げつつ、さらなるセキュリティを確保する方法が推奨されています。
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