エアギャップ方式とは?秘密鍵をネットワークから隔離する方法

秘密鍵を攻撃者から遠ざけるため、ネットワークとの直接接続を断つ方法がエアギャップです。ここではエアギャップ端末の仕組みと、暗号資産の保管での使い方を説明します。

エアギャップ端末とは?

インターネット、LAN、Wi-Fi、Bluetoothなどのネットワークに接続しない端末を指します。外部とのデータの受け渡しは人が管理し、USBドライブ、microSDカード、QRコード、手入力などを使います。物理的な分離と慎重な運用は、機密情報の漏えいを減らすために軍、銀行、行政、研究機関などでも利用されます。

エアギャップ端末のデータ移動

ネットワークから切り離しても、持ち込む媒体や操作を確認しなければ安全は保証されません。

エアギャップ式の暗号資産ウォレット

秘密鍵を守る

暗号資産を動かす権限は秘密鍵に結び付きます。鍵をオンライン端末に渡さないことで、遠隔攻撃の入口を減らせます。バックアップのシードフレーズも暗号化の有無にかかわらずオンラインに保存しないことが重要です。

オフライン署名の流れ

  1. オンラインのパソコンやスマートフォンで未署名の取引を作ります。
  2. QRコードまたはSDカードなどで、未署名の取引をオフライン端末へ渡します。
  3. 秘密鍵を持つ端末で内容を確認し、署名します。
  4. 署名済みの取引をオンライン端末へ戻し、ネットワークへ配信します。

この流れでは秘密鍵がインターネット接続端末に渡りません。受取先と金額は署名端末の画面で確認してください。

QRコードでオフライン署名するBlockstream Jade
QRコードによるオフライン署名に対応するBlockstream Jade

遠隔攻撃への防御

端末が直接ネットワークに接続しなければ、ネットワーク経由で端末に侵入する攻撃面を減らせます。ただし、フィッシング、改ざんされた取引データや移動媒体、利用者の操作ミスまでなくなるわけではありません。大量の資産や長期保管では、ほかの対策と組み合わせて使います。

エアギャップとマルチシグ

複数端末による署名

マルチシグは一つの取引に複数の鍵の署名を必要とする方式です。設定によっては3つの鍵のうち2つ、または5つのうち3つを要求します。2-of-3の構成なら、別々の鍵を持つ3台の端末のうち2台で署名すると取引が有効になります。1台が故障または紛失しても残る2台で管理できます。ただしバックアップと運用の設計が必要です。組織では署名権限を分け、内部不正や人為的ミスのリスクを抑えることもできます。

Web3とDeFiでの利用

ホットウォレットは操作が手軽ですが、長期保管や重要な取引の署名にはオフライン端末を組み込めます。ステーキング、投票、マルチシグなどで、オフラインで署名し、USBやQRコードで署名済みデータをオンライン端末へ渡す方式があります。資産を使い分ける多層的な保管方法にも役立ちます。

対応端末の例

Blockstream JadeはQRコード、ColdcardはSDカードなどを使い、インターネット接続端末と直接つながずに運用できます。原文はこの方式を、USBなどの接続を使うLedgerやTrezorと比較しています。機種ごとの機能は最新の製品情報で確認してください。

Blockstream Jadeウォレット

ColdcardとJadeはBitcoin専用です。Ethereum、USDTなど複数の資産を保管したい場合、原文はTrezorやLedgerなど別の選択肢を挙げています。

まとめ

エアギャップはあらゆる場面に最適なわけではありませんが、機密データやデジタル資産のネットワーク上のリスクを減らします。正しく運用し、鍵のバックアップとデータ移動の経路まで守ることが重要です。

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